

宮城県仙台市に住むSさんは、一九七五(昭和五〇)年生まれで国立大学教育学部を卒業後、市内にある家庭教師派遣会社に登録した。最初に担当した生徒は、市内の公立中学二年生のEさん。会った瞬間、Eさんのファッションを見て怖気づいてしまった。髪は茶髪、眉毛を細くし、制服のスカートはミニでルーズソックス。一目で不良とわかった。シンナーを吸う常習癖があり、勉強は大嫌い。家族はあまり年の離れていない女性の家庭教師を希望し、なんとか高校進学への道筋をつけてほしいとの依頼だった。父親はサラリーマン。母親はパートで働きに出ている共働きの家庭で、両親の不仲などもなく家庭環境には問題はなかった。ただ、親や学校の先生に怒られつづけ、見放されていたEさんを、親と同じ立場に立って説得しても聞いてくれないと鹿内さんは判断した。
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